Jesse van ruller の 8 分音符に関する考察

昨年末に「ジャズの「ノリ」を科学する」という本を読んだ。
内容としては「科学する」なんて大それたものではなくて、ベース音に対する 8 分音符の表拍の遅れ(いわゆるレイドバック)とハネ具合を波形見ながら測ってみたというもの。
パーカーやマイルスの演奏がどの程度レイドバックしてるのかや、時代の変遷とともにその程度がどう変わってきたのかなどが解説されていた。

そこでふと気になったことがある。自分が好きなギタリスト、Jesse van ruller はどうなのか。
ハネ具合についてはほぼイーブンだろうとなんとなく分かるが遅れはどうか。
ということで年末の暇な時間を使って実際に測ってみた。


波形の解析には本でも使われていた Audacity というフリーソフトを使用。

イコライザーも利用できるのでベース音の抽出をこのソフト内で完結しようと思ったけれど、小一時間やってもうまくいかなかったので諦めた。
そこでmoisesという音源をパートごとに分離できるソフトを使い、ベースとギターの音源をそれぞれ抽出した。

裏ではSpleeterというライブラリが動いてるらしく、ターミナルからも操作が可能らしい。
自分の環境では conda がエラーを吐きまくったのでおとなしく moises を使った。
音源の分離はかなりきれいにやってくれる。
文明は偉大。耳コピするときも良さそう。

あとは分離された音源を Audacity に取り込んで、

記録して、

完成。

横軸はベース音が発音されてから何拍遅れてギターの表拍が発音されたか。
縦軸は表拍が発音されてから裏拍が発音されるまで何拍かかったか。
縦軸は 0.5 ならイーブン、6.6 なら三連符の中抜くらい。

全体を見るとイーブン+αくらいでハネていて、遅れ具合はほぼないように見える。
また 2015 年のアルバム "Phantom" はその傾向にある一方で、 2001 年のアルバム "Trio" は 16 分音符一つ程度遅れているように見える。

ただし、

  • サンプル数が少ない
  • ベース・ドラムの奏者がアルバムによって違う
  • 解析に使ったフレーズにもよる

なので残念ながら結果に信憑性なし。

本来なら 1 曲通してデータを取るべきなんだろうけど、ベースが4分音符で刻んでくれていないと基準がとれず、かつギター側も8分音符で弾いてくれないとデータが取れないためなかなか難しかった。
あと死ぬほど面倒くさかったので、勢いのあった今回が最初で最後。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です